行政書士試験の勉強をしていると、とにかくよく出てくる「肢別問題集」。
肢別問題集だけで合格できるの? 独学でも使える?結局何周すればいいの?と毎年受験生を悩ませる、あの定番教材です。
ネットやSNSを見ていると、「肢別問題集を10周、20周回せば受かる」といった情報もよく見かけますよね。

私自身も、「それで受かるならやりたい…」と何度も思いました。
その後、令和7年度の行政書士試験に合格したので、この記事では合格当時の肢別問題集の使い方について振り返りたいと思います。
まず正直に言うと、そこまで肢別問題集を回転することができませんでした。
最初の1周に1ヶ月以上かかったり、1日のノルマに何時間もかかって「このペースで間に合うのか」と焦ったこともあり、期待と不安を行き来する日々でした。
そこで途中から、「回数をこなす」のではなく、「どう使えば点が取れるか」=肢別問題集の使い方に集中するよう切り替えました。
そして実際に合格して感じた結論はこれです。肢別問題集は「何周するか」ではなく、「どう使うか」で合否が分かれます。
当たり前のように感じるかもしれませんが、受験勉強中は「これをやれば受かる」という安心が欲しくなるものですよね。
この記事では、私が時間の制約がある中で、肢別問題集をどのように使い、どのくらいの回し方で合格点に届いたのかを具体的にご紹介します。
完璧を目指すのではなく、限られた時間で最大限の成果を出すための現実的な方法として、参考にしていただければ嬉しいです。
1. 行政書士の肢別問題集の使い方|まず知っておきたい目的
まず前提として、肢別問題集はとっても優秀な教材です。私も合格した年のメイン問題集はこれでした。
ただし、目的を間違えると効果は半減します。
肢別問題集の役割は主に次の3つです。
- 試験範囲の全体像を把握する
- よく出る論点を知る
- 苦手分野を炙り出す
つまり、答えを暗記するためのものではありません。
実際、○×だけを覚えてしまうと、本試験では少しひねられた問題に対応できなくなります。
大切なのは、「なぜこの肢は○なのか/×なのか」を説明できる状態にすることです。
とはいえ、最初から完璧を目指す必要はありません。
まずは数周最後まで進めて、「全体像を掴むこと」を優先するのがポイントです。
2. 肢別問題集の回し方|効率的に進める基本ルール
最初の1〜2周は、正直かなりきついです。
わからない問題ばかりで、手が止まりがちになります。
ただ、この段階では「読むだけでもOK」と割り切ることが大切です。
実際、私は最初の3周ほどはほぼ「読んでいるだけ」の状態でした。◯でも×でもないので、読んだときはチェックマークを付けました。
一問一問立ち止まっていると、全く進まないし、進捗を感じられないと辛かったからです。
肢別の基本ルールはこの4つです
- ○×だけでなく「理由」を意識する(できる範囲でOK)
- A・B問題を優先し、C問題は後回し
- ノートは基本不要(問題集に直接書き込み)
- まずは止まらず1周する
「理由付け」は重要ですが、最初から完璧にやる必要はありません。
量をこなして質が上がっていくように、回数を重ねる中で、自然と理由付けの精度が上がっていきます。
3. 肢別問題集は何周必要?いつから始めるべきか
肢別問題集は、学習初期から直前期まで使える教材です。
理想としては、直前期に入る前までに2〜3周しておくと、その後の模試や記述対策にもスムーズに入れます。
私は5月頃から使い始めましたが、夏までに回せたのは行政法・民法・憲法のみでしたが、それでも問題ありませんでした。(ただし全体を回していた方が、模試の点数も上がりやすいです。)
大切なのは全科目を完璧に回すことではなく、一度でも触れている状態を作ることです。
この状態があるだけで、直前期の理解スピードや吸収力が大きく変わります。
周回数については個人差があるため言い切りにくいですが、基礎理解するまで、間違えなくなるまで、その知識を維持するため、目安としては、行政法は8〜10周、それ以外は5周程度でも合格圏内を目指せるんじゃないかと思います。
4. 肢別問題集の周回スピードを上げるコツ
勉強開始時期にもよりますが、最初は1周に1〜2ヶ月かかっても問題ありません。
私自身も最初はかなり時間がかかりましたが、回数を重ねることで
- 見たことがある問題が増える
- 判断スピードが上がる
といった変化を実感できるようになります。
最終的には以下を目標にすると理想的です。
- 直前期:1週間で1周
- 本試験直前:半日〜1日で全体チェック
ここまで来ると、「知識の総点検」が一気にできる状態になります。
全問しっかり解いていると難しいスピード感なので、似た問題や5回連続して正解したら飛ばす、など工夫を混ぜて大丈夫です。
5. 科目別|肢別問題集の回し方と周回数の目安
ここが時間がないなかで180点を勝ち取るために、重要なポイントです。
全科目を同じ回数やる必要はありません。
行政書士試験は、300点中188点が行政法民法からです。そのため科目ごとにメリハリをつけることで、効率よく得点を伸ばせます。
■ 行政法(最優先)
最低8〜10周を目安に、徹底的に回します。肢別で一番伸び代あるのはここです。
行政法は出題数・配点ともに高く、普通はここを得点源にできるかが合否を分けます。私は6つのブロックに分けて、毎日必ずどこかしら触れるようにしていました。
最後の最後に苦手なところを確認しやすいように、マーカーなどを引くのは8月とか9月以降で良い気がします。また、模試で間違えた肢なども書き足していました。
■ 民法
2~3周程度を目安にしたら、わかりやすい民法のテキスト、問題集や、五肢択一へ移行しつつ、4~5周ほどしました。民法のウォーク問は4周です。
個人的に一問一答だけでは論点の繋がりが見えにくいため、私の場合は過去問形式で全体を捉えることを重視しました。
民法の問題集では、オートマやスー過去も人気だと思うのですが、肢別は行政書士試験の頻出論点の把握にはとても便利なため、他の問題集と肢別を交互にやるなど、たまに全体を把握すると得点が伸びやすいと思います。
■ 憲法
2年目で主要判例が頭に入っていたこともあり、おおよそ理解が進んでいれば、全体の周回数は少なめでも合格できました。トータルで4~5周ほどしました。
ただし、多肢選択や秒トレを活用した判例理解や、統治の暗記などは別途必要かと思います。
■ 商法・会社法
8〜9月以降に開始し、1〜3問を確実に取る戦略で十分です。基礎の条文を理解して対策した分だけ点が伸びやすい分野です。
令和7年は難しすぎたのでちょっとイレギュラーでしたが、肢別での対策も行った方がいいと思います。3周はしました。千問ノック、秒トレでも結構やっていました。
■ 基礎知識
文章理解で2~3問取れていたり、近年の過去問をといて足切りでないなら、直前期以降に1~2回転程度でも対応可能かと思います。(予備校の基礎知識は難しいです。)
常識問題もあったからか、肢別は1~2周+千問ノック1~3周で、本試験では11問/16問取れました。
6. 直前期の肢別問題集の使い方|合格に直結する総仕上げ
模試や本試験の直前は、全科目の肢別を短期間で一気に回します。覚えきったところはさっと確認しつつ、苦手なところを叩き込む意識で使います。
私も本試験前には、かなりのスピードで全範囲を見直しました。
これを行うことで
- 知識がバラバラではなく「線」でつながる
- 「基礎はできている」という自信が持てる
といった効果があります。
私の場合は、肢別を使っても本当に本当に自信を持てない箇所だけを、10月くらいから暗記ノートにまとめました。試験を受ける前夜〜直前に見返せるようにです。
7. 肢別問題集でよくある失敗とNGな使い方
以下のような使い方は、効率を大きく下げてしまいます。
- ○×だけ覚えてしまう
- 完璧を目指して進まなくなる
- 全科目を同じ回数やろうとする
- 「◯周する」を目標にする
特に「完璧主義」は、つまずきやすいポイントです。
まずは前に進むことを優先することが重要です。資格試験の目標は「合格」や「基準点」なので、点をもぎとる回し方でOKです。
8. まとめ|肢別問題集は回数より使い方が重要
肢別問題集は、使い方次第で非常に強力な武器になります。
大切なのは「回数ではなく、戦略的に使うこと」です。
限られた時間の中でも、メリハリをつければ十分合格は狙えます。
まずは3周、完璧を目指さずに最後まで進めてみてください。

