行政書士試験の勉強、本当にお疲れ様です。仕事や育児に追われる毎日の中で、机に向かう時間を捻出するのは本当に大変ですよね。
ネットやSNSを見ていると、「肢別問題集を10周、20周回せば受かる」という内容が目に入ったり、肢別だけで受かるのか?受からないのか?なんて論争が起きたりもします。
私自身「肢別を回して受かるなら回したい…」と何度も思いました。でも時間的にできませんでした。根性が足りなかったのかもしれません。でも正直、限られた時間の中で全科目を完璧に何周も回すのは、難しい方も多いと思います。
実際、最初に一周まわすのに一ヶ月以上かかってしまい、焦りました。
でも途中からは「全部を完璧にできないなら、どうやって180点を突破するか?」と開き直り、科目ごとに教材や勉強法を徹底的に使い分ける戦略に切り替えました。
例えば…
行政法は、肢別問題集をボロボロになるまで使い倒す。
民法は、バラバラの肢ではなく「五肢択一」で論点の繋がりを掴む。
憲法や商法は、直前期のブーストで効率よく点数を拾う。
この記事では、私がそんな「時間が足りない」という壁にぶつかりながら、なんとか合格点を掴み取った際の肢別問題集の使い方をご紹介します。
「完璧主義」を少し横に置いて、限られた時間で最大限のパフォーマンスを出すためのリアルな戦略として、参考にしていただければ幸いです。
1. 前提:肢別問題集を使う一番の目的は「答えの暗記」ではない
肢別は試験全体の範囲・内容を知るための最短ルート
前提として、肢別問題集はめちゃくちゃ良い問題集です。行政書士試験は2回受けましたが、合格した時のメイン問題集はこれでした。
肢別問題集の最大のメリットは、試験範囲を網羅しており、かつ条文順に並んでいることです。
テキストと合わせて進めやすいですし、数周読むことで「行政書士試験では何が問われるのか」という全体像を把握するのにこれほど適したツールはありません。試験前などの総復習や、知識の抜け漏れチェックにも最適です。
勉強時間の半分以上は、肢別の行政法&民法に捧げました。
苦手箇所を見つけるためのツールとして使う
問題を解き始めて1〜2周目は、正直かなりきついです。わからないことだらけで手が止まりそうになりますが、最初は「文章・答えを読むだけ」でも構いません。
私も最初の数週は、問題と解答を読み、進めながらひたすらチェックマークをつけていきました。
回数を重ねるうちに、「何度やっても間違える問題」や「どうしても覚えられない論点」が浮き彫りになってきます。逆に、3周ほどで自然と覚えられる問題も出てきます。
ただし「暗記すれば受かるもの」ではなく、全体を横断しながら、自分の得意・不得意を可視化し、「基礎を固めるためのツール」だと割り切りましょう。
なお、難易度の高いC問題は思い切って飛ばし、まずはA・B問題に集中するのが効率的です。
「なぜなのか」を説明できない正解は、実質「×」と同じ
肢別で一番注意すべきは「答えの○×」を覚えて、理解した気になってしまうこと。
理由付けができない正解は、本番では通用しません。「なぜこの肢は×なのか」を自分に問いかけましょう。
とはいえ、最初から完璧を目指すと挫折します。最初の数周やどうしても理解できないものは、印をつけるだけにして、まずは前に進むことを優先してください。
2. 【時期・方法】いつから始める?どう進める?
学習初期から最後まで使える
8月頃から試験の直前期に入ると、記述対策や模試などが始まります。
その前に肢別で過去問を2〜3周はやっておけると、一通りの過去問に触れられるため、スムーズに直前期に入れます。
ちなみに私は5月頃から使い始めましたが、夏までには、行政法、民法、憲法のみしかやれませんでした。
とにかく持ち歩く、どこでもやる
私は分厚い肢別問題集を「二分割」して、主に「民法」と「行政法」で分けて持ち歩いていました。
民法はじっくり読まないと解けなかったのですが、憲法、基礎知識、行政法などは反射的に答えられる問題が多かったため、子供と遊びに出た公園で解いたり、お風呂でもやったりしました。
このスキマ時間活用はめちゃくちゃ大事です。
別問題集ですが、肢別がかさばる旅行時には、『千問ノック』を持っていて電車やホテルでも解いていました。
ノート不要、ペンと問題集だけ持ち歩く
私はスキマ時間を活用しなければいけなかったので、肢別を解く時にはあまりノートは使いませんでした。
ページの半分(解説側)を隠して、一問ずつ(または1ページずつ)頭の中で◯×と理由を答え、補足したいことだけ解説に直接書き込んでいきました。
ペンと問題集だけでも、最悪ペンはなくても、どこでも勉強はできます。
最初は科目ごとでもいい
肢別は一冊で全科目を勉強できますが、最初はテキストや講義を見ながらで時間がかかるため、「今週は行政法を2時間ずつ進める!」といった形でも良いと思います。
無理に最初から全科目を切り替えようとすると、時間配分で挫折しがちだからです。
1周のスピードを徐々に上げていく
最初は1周に1〜2ヶ月ほどかかるかもしれませんが、直前期には「1週間で全範囲」、直前の模試前や、本試験前には「半日〜1日で全範囲」チェックできるスピードを目指すと理想的です。
3. 全科目、同じ回数は不要!?合格点を掴むための「科目別」回転数戦略
肢別は、1週間で1回転ができたら理想的です。
管理も楽になりますし、周回数も増やせます。でも、できないからといって合格を諦める必要はありません。
私は最終的に、科目ごとに問題集やスケジュールを以下のように使い分けることで、400時間という学習時間で合格圏内に入ることができました。
- 行政法: 1週間で1回転(最低8〜10周)
- 民法: 1〜2週間でウォーク問と肢別を交互に(計4周程度)
- 憲法: 試験前に1〜2回転(計4周程度)(普段はアプリで暗記)
- 商法会社法: 試験前に1〜2回転
- 基礎知識: 試験前に1回転
【行政法】最低8〜10周:徹底的に叩き込む
最優先科目。私は全体を5〜7つのブロックに区切り、毎日1ブロックを目安に触れました。
- 手続き法・不服審査法・事件訴訟法:流れや条文が明確。全体的に出るため、基礎を徹底して、早めに得点源にします。
- 国家賠償法: 条文・判例共に少ないので、確実に落とさないように仕上げます。
- 総論・地方自治法: 範囲が広く苦労しますが、ここで苦手を作らないことが、最後に得点が伸びる鍵になります。
【民法】4周ほど:早めに五肢択一へ
この記事では肢別の使い方を説明したいのですが、私は民法を一問一答だけで理解するのは非効率だと感じました。なぜなら、論点が複数に渡るような複雑な事例が多く、一つの問題(五択)に取り組むことで、様々な論点に対応する力がつくように感じたからです。
勉強時間が少ない場合、早めに肢別やテキストで範囲を掴んだら、自分が理解できる民法のテキストと、スー過去かウォーク問へ移行するのが効率的だと思います。
その後、ウォーク問と肢別(または千問ノック)を交互にやりました。
どの問題集も、実は「民法でよく問われるところ」は似ているため、民法に関しては一つの問題集にこだわらなくても良い気がします。
4. 伸び悩みを打破するための「苦手論点」攻略
行政法総論・地方自治法を「10周」した理由
行政法の中でも、これらの分野は行政手続法のように流れで覚えやすいわかでなく、細かな論点の集合体で、範囲も広いです。
だからこそ、ここを「なんとなく」で終わらせず向き合うことで、他の受験生と差がつく安定した実力がつきました。
最終的にはここも「どこまで覚えるか」「どこまで理解できるか」で差がつきますが、行政法の中では後回しで良いと思います。
知識を整理するタイミング
5周ほど回すと、肢別を解くことへの圧迫感が消えてきます。
そのタイミングくらいから、苦手な場所を特定し、テキストに戻って知識を整理していました。
最初から理解したいと深追いすると全体把握の時間が足りなくなるため、得意不得意がはっきりした段階で、図解や表などを用いて具体的にどこが苦手か向き合うことが大切です。
5. 教材の使い分けが合否を分ける:肢別以外のサブツール活用術
先ほど民法で触れましたが、肢別問題集だけで全科目をカバーしようとするのは、効率的な学習においては遠回りになることもあります。
そのため、私が実践した科目ごとの教材戦略です。
民法は「ウォーク問」で事例問題の繋がりを掴む
民法は範囲も論点も膨大に見えますが、実は「よく聞かれるポイント」には一定のパターンがあります。
- 頻出論点の例: 制限行為能力者の行為は「無効」か「取り消せる」か?/この人物は「第三者」に当たるか?/詐害行為取消権の被告は誰にすべきか?など
また、民法は複雑な事例かつ論点をまたぐ問題が多いため、肢別でバラバラに解くよりも、「五肢択一」で選択肢を比べる方が、民法が苦手な自分には効率的でした。
最終的に、五択でそれぞれの肢の理由付けができるように答えていけば、きっと力がついてます!
【民法勉強ルート】
- 初心者向けテキスト(『最初でつまづかない民法』)で全体像を把握
- 肢別で基礎的な範囲をチェック、スーパー過去問を解く
- 早めに「ウォーク問」などの五択問題へ移行
(※ウォーク問など五択の中には消去法でわかれば良い問題もあります。難問まで深追いせず、基礎理解に努めればOKです。)
憲法は「判例理解」と「直前期のブースト」で逃げ切る
行政法を最優先した結果、周回数が減ってしまい、効率を重視しました。
- 統治: 条文暗記が点数に直結するため、早期から肢別を回す。
- 判例: 結論だけでなく、文章を丁寧に読み込む。
- 隙間時間: 秒トレ、LECの「56点アップ道場」、YouTubeの「憲法読み起こし」など色々活用
とはいえ、初期から勉強できる時間がある場合は、得点源にできると思うので、肢別も有効です。
商法・会社法は「8〜9月」から始めて1〜3問を死守する
条文が多く「捨て科目」にされがちですが、対策した分だけ点が取れる分野です。
- 時期: 主要3法が落ち着いた8〜9月頃。
- ツール: アプリ「秒トレ」、肢別、テキスト。 民法を数周した後に始めると混乱しにくいです。テキストに条文がない場合は「秒トレ」が非常に役立ちました。
令和7年の問題は、おそらく商法会社法が難しかった分、憲法が易化した可能性が高いです。
商法会社法は全部C問題レベルの難問でしたが、おそらく難化が続く傾向は少ないのではないかと思うため、憲法も商法会社法も捨てない方が良いのでは…と思います。
使った教材のまとめは、別の記事でまとめたいと思います。
6. 本試験直前の総仕上げ:全範囲「一気回し」の圧倒的効果
本試験の直前、私は全科目の肢別を短期間で一気に解き直しました。
これを行うことで、バラバラだった知識が一本の「線」としてつながります。「基礎は覚えた」という自信を持つため、そして直前の勉強に悩まずに済みました。
7. まとめ:時間がなくても「メリハリ」があれば180点は突破できる
時間が限られているなら、限られているなりの戦略を取らなければ戦えません。
完璧主義を捨て、科目ごと、苦手ごとの特性に合わせて力を入れる場所を変える。机でできないなら、アプリも耳も活用する。
この「メリハリ」こそが、私を合格へと導いてくれました。今日の10分、20分の積み重ねが、必ず本番の1点に繋がります。応援しています!